「父が繋いでくれた着物を生かす道」
チラシからのご縁
2021年1月17日に中日新聞に折り込まれていたチラシを見ました。生前遺影のチラシに最初は目がいきました。
昨年の12月父が他界し、その時に以前私の娘が撮影していた動画から笑顔の父の遺影を作成してもらったという経験があったためだと思います。
それで、何気なく裏をみたら、「え?着物から日傘って作れるの?」って思ったのがきっかけです。
私は着物は特に好きではなく、全く興味はありませんでした。
でも、なぜか着物のエピソードは、けっこう沢山あるんです。
数々の着物エピソード
成人式の時に、一番上の姉、2番目の姉、私 が同じ振袖を着るんですけど、どう考えても私に似合わない振袖で、、、
振袖には、あまりいい思い出がなかったです。
でも、だからこそ、自分の子供たちには自分の好きな振袖や袴を着させてやりたいと思えたのですけれども。
それと、私は3姉妹の3番目なんですが、結婚が一番早かったんです。それで母が「まだ花嫁にもたせる着物や家具が準備できていない、、、」って。
でも私は「そんなのいらないから、、、」って。特に気にもしていませんでした。これは姉から聞いた話ですけれど、それを母はずっとずっと気にしていたみたいです。
父の葬儀の時に、母が「着物を着る」って言い張って、、、姉たちは「腰が曲がってるのに、着物を着るなんて、、、何言ってるの!」とつっぱねたんですけど、私は「いいじゃない、お母さんの好きにさせてあげよう。私が探すよ。」と思ったんです。
でも、いざ箪笥を開けて探し始めてみると、あまりの着物の数にびっくりしてしまって、、、時間もないなかで、どうやって探し出すの!?と怒れてきてしまって、、、
母に「もう!こんなに着ないのにとっておいて!」と怒ってしまったんです。
そんな後悔の念もあって、余計「着物から日傘が作れるの?」と興味を持ったんだと思います。
チラシに書いてあった
「生きている今はご先祖様からのプレゼント」という文言にもあ~そうだなぁ、と思いました。
私は着物は着ないけれど、形を変えればそばに置いておけるし、そうしたいと思いました。
チラシを見て、すぐに上二人の姉に連絡したら、姉たちも「そんなことできるの?いいね。」っと賛成してくれました。
日傘から広がり始めた、着物を生かす道
不思議と、この日傘を依頼したあとに、2番目の姉の家の隣の人が、実は洋裁ができる人で、着物をワンピースにしてもらったり。
そうしたら、今度は実家のご近所の方がリメイクができる方で。
かばんにしてもらったり、娘の筆ケースにしてもらったり、、、
着物を違う形で生かすというきっかけがあの日から始まった気がしています。
あの時、着物なんてもう業者さんに見に来てもらって、手放せばいいじゃない!と思ったけれど、そうしなくて良かったと思っています。
形を変えて、私や、姉たち、そして子どもたちのそばに置いておきたいと思っています。
古川さんとのご縁は、父が繋いでくれたものだと思っています。
お盆には、親族でお墓参りに
お盆はなかなか雨が続いていて、みんなで日傘をさす
機会がありませんでした。
でも、一日だけ太陽が出てくれた日があって、、、
みんなで着物から作成された日傘をさして、
ご先祖様に挨拶ができたこと、本当に良かったです。
着物として着ることはできなかったけれど、
違う形でまた想いを繋げることができたと感じています。